母の死に会う
道元さま八歳の冬、承元元年(西暦1207年)母没す。お母さまは、いよいよ臨終が近づくと道元さまの手をお取りになり、「出家して父母の冥福を祈り、人々の苦を救う道を歩むよう」と申され亡くなられた。道元さまは息を引きとられたばかりのお母さまのかたわらに正座されると、心をこめて香をお焚きになり、その立ち上がる香煙をみて人の命のはかなさを、しみじみ感じられた。
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