木の芽峠の別れ

 建長五年(西暦1253年)の八月、道元さまは波多野義重らのすすめにより静養のため京都へおもむかれた。木の芽峠で徹通和尚を越前に帰され、高辻の覚念亭に入られた。いよいよ入滅の時を知ると、身を浄め、坐禅をされて、集まった多くの人に広く真実の仏法を伝えるようにと申されて、しずかに五十四年の生涯を終えられた。建長五年九月二十九日の夜でありました。



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